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新宿区市ヶ谷、神楽坂、飯田橋本拠の松原正幸税理士事務所 法人税、所得税、消費税、簿記会計など事業に係るご相談はご相談はお気軽に!

第8回 税務上の繰延資産

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例えば商店街へのアーケード設置の負担金の扱い

会計上ではなく税務上の取り扱いに特徴があります
税務上の繰延資産と言います


繰延資産とはなんでしょうか?
繰延資産とは何でしょうか。減価償却資産とは違いその支出した金額の期間的な有効性をかんがみてその効果が1年以上あると考えられるものを
一回の経費として考えずにその効果があると合理的に考えられる費用を資産としてとらえて
効果があると考えられる期間内において均等に償却していく考え方です

アーケードは何故、税務上は繰延資産とりあつかわれるのか?

法人税法上繰延資産として取り扱われるのは次の例となっています。
1 自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出するその他の費用
2 資産を賃借し又は使用する為に支出する権利金、立退料その他の費用
3 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用
4 製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用
5 1から4までに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用
アーケードは法人税法基本通達8−1−4において自己が便益を受ける共同的施設として取り扱うこととされています。
そしてこの場合は5年(ただしその施設について定められている耐用年数が5年未満である場合には、その耐用年数となります。)で均等償却していくこととなります


会計上の考え方
税務上の繰延資産の範囲はある程度決められた範囲となります。商法上のものではありませんので会計上資産計上をしなければならないというものではありません。(現実には資産性は極めて乏しいです)よって会計上は一旦すべてを経費扱いとすることはかまいません。むしろ会社の財務上はないほうが望ましいでしょう。しかし法人税の計算をする場合には経費化した金額が定められた年数で償却した場合以上の金額である場合利益にその超えた部分の金額を足し税金を計算します。(繰延資産償却超過額といいます)

中小零細企業における現実的な取扱い
投資等に長期前払費用として計上をします。(実質的な資産計上です)これを繰延資産と同様な方法で償却していくことになります。
簿記の仕訳で考えると
(長期前払費用償却 ○○○円/ (長期前払費用) ○○○円
このような仕訳です。貸借対照表上にはこの残額が計上されていきます。会社の規模によってはは決算書上の注記事項に乗せる必要性が出てきます。
法人税の申告書の別表においては16-6の繰延資産の償却を利用するのが一般的です。