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新宿区市ヶ谷、神楽坂、飯田橋本拠の松原正幸税理士事務所 法人税、所得税、消費税、簿記会計など事業に係るご相談はご相談はお気軽に!

第7回取引先が倒産した場合の処理SERVICE&PRODUCTS

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取引先が潰れました。どの様に経理処理をしますか?

潰れるということはどういう事か・・潰れるという表現だけでは駄目です

まずは状況確認が一番大切です・・・・・・適用される法律のやり方や状態で違いが出ます。

潰れたという情報がどういう種類のものかを判断しなければなりません。例えば営業はとりあえずできる状態ではあるが経営上の判断で会社更生法や、民事再生法の適用を受けるという方向の場合は全額を貸倒とはできません。まずは貸倒引当金の積み増しという方向へとなります。(個別評価債権といいます。)
それに対し本当に倒産と言える状況である場合(法律上の清算が終了したとか、相手方が資力を全く持たない状況であることが明らかである場合)は貸倒損失として損失処理することとなります。

貸倒引当金の積み増しの対象となる場合

1 会社更生法又は金融機関等の更正手続の特例等に関する法律の規定による更正手続開始の申立て
2 民事再生法の規定による再生手続開始の申し立て
3 破産法の規定による破産の申し立て
4 商法の規定による整理開始又は特別清算開始の申し立て
5 手形交換所による取引停止処分等があります。
申し立ての認可があった場合に、その認可に従った貸倒処理及び引当金への繰り入れが行われます。

貸倒損失となる場合

1 事実上の貸倒れ(この判断はとても難しいと考えてください)
これは債務者の資力を考慮して行うものです。ということは明らかにこのこと証明する事実が必要です。
2 法律上の貸倒れ
金銭債権が法律上消滅し回収不能が明らかになった場合はその事実が発生した日の属する事業年度の損金の額に算入されます。
3 形式上の貸倒れ
  売掛債権についてのみ適用(この場合も限定条件あり)。勘違いしやすいので説明しません。慎重な取り扱いが求められます。
法律上の貸倒とは?
1 会社更生法若しくは金融機関等の更正手続の特例等に関する法律の規定による更正計画の認可の決定又は民事再生法の規定による再生計画の認可の決定があった場合。この場合の貸倒金額は、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額
2 商法の規定による特別清算に係る協定の認可又は整理計画の決定があった場合。この場合の貸倒金額はその決定により切り捨てられることとなった部分の金額
3 破産法の規定による強制和議の認可の決定があった場合。この場合の貸倒金額はその決定により切り捨てられることとなった部分の金額
4 私的整理による関係者の協議決定で、次に掲げるものにより切り捨てられることとなった場合。
この場合の貸倒金額その決定のようになる。
イ.債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの
ロ.行政機関又は金融機関その他の第三者の斡旋により当事者間の協議により締結された契約で内容が、イに準ずるもの
5 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合。この場合はその債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額が貸倒金額になる。

経理処理はどの様にするのか

貸倒引当金への繰り入れとなる場合 
法律上の計算式によりまた厳密な純額の債権をもとに一定の率を繰り入れる 
 仕訳    貸倒引当金繰入/貸倒引当金   という仕訳を行う
貸倒損失の場合
 法律上の貸倒損失の場合はその事実のあった日の属する事業年度において貸倒損失として全額損金経理をする。(やっていない場合は申告書において減算する)
事実上の貸倒の場合は法人が損失として認識した日の属する事業年度で全額損金経理する(申告書上における減算処理は認められない)
形式基準の場合は備忘価額1円を残して残額を貸倒損失として計上