仕訳の疑問と具体例その1
第11回簿記会計の質疑応答集 TOPICS
仕訳の疑問と具体例その1 |
仕訳とは何か?要するに勘定科目をその意味に合わせてそろえることです。
仕訳とは様々な取引における事象、事柄を記録するためにそれらのことを簿記の決まりごとに応じて整理していくことを言います。そのためには勘定科目、貸方、借方の区分を覚える必要があります。ただし簿記は数をこなすことにより覚えていくことは可能です。まあ数打てばあたる。とまあそんなところです。気楽に覚えていきましょう。 |
具体例で行きましょう。いくつか具体例をのんきにあげていきます。適度に覚えましょう
①家賃の支払 |
家賃の支払は基本的には前渡しです。ただし考え方が2種類あります。契約に基づき前払分は前払いといて扱い期日に合わせて費用化する方法(発生主義)、支払に合わせて費用化する方法(現金主義)通常は発生主義でとらえますが家賃は売上に合わせて発生するという性質ではないのでこの支払に合わせてという考え方が成立します。 |
具体例 1 発生主義の場合 |
支払段階・・・月60,000円の先払い家賃を普通預金から振り込んだ |
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
(前払費用) |
60,000 |
(普通預金) |
60,000 |
先払い家賃を契約に合わせ該当の月の費用とする |
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
(地代家賃) |
60,000 |
前払費用 |
60,000 |
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具体例 2 現金主義の場合 |
家賃を期日通りに支払その時に費用化する |
貸方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
(地代家賃) |
60,000 |
(普通預金) |
60,000 |
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このような場合の処理方法については発生主義もしくは現金主義のどちらかの方法をとるのかは任意に決められますが、どちらかを選択しましたらその処理方法は継続して行わなければなりません。これを簿記では継続性の原則と言います。また税法においてもこの考え方は同じですので法人の場合は決算期、個人の場合は年度によってやり方を変えてはいけません。 |
②売掛金の請求 |
売掛金の場合、締め日というものがあります。これは何回も納品のたびに、また複数ある顧客に対し一回一回請求書をつけている場合、事務処理がかなり煩雑になってしまいます。よってこれを請求する日を決めておきその日までの分の請求書を 作成し顧客に請求するやり方です。よって日付はその締め日となります。 ただし単独での1回限りの取引という場合はその納品毎に請求をしていきます。・・この場合は納品と請求が同一の時と考えればいいことになります。 |
日付は請求日と考えるものとします。(売掛帳とはいささかちがいます。) |
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
(売掛金) |
60,000 |
(売上) |
60,000 |
③売掛金の入金 |
売上代金の入金、すなわち売掛金が入金された時は次のように処理をします。ただしここでは普通預金に振り込まれた場合で考えます。このケースも実際にはその取引の決めごとによっては処理が異なります。ここではよくありがちな振込料の問題で2つにわけます。法律上では振込料は債務者・・・すなわち振込側の負担と決められています。ただし営業上の都合などで別途、振込料の負担者が定められていてそれが入金側であるケースはこの振込料を入金側で処理をします。 |
具体例1 振込手数料が振込側の負担である・・・・単なる入金 |
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
(普通預金) |
60,000 |
(売掛金) |
60,000 |
なにしろそのままですからそのままの金額が勘定科目として売掛金から普通預金に変わるだけです。難しく言えば 資産勘定の普通預金が増加し資産勘定の売掛金が減少したということです。資産勘定で借方というのは増加していることを指します。逆に資産勘定で貸方というのは減少を指します。まあ一つこんな感じで理解しください。数打てばあたります。だからといって宝くじが当るわけではない!・・個人的なことです。すみません。 |
具体例2 振込手数料が受取側の負担である・・・・契約で入金側の負担と決められている場合 |
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
(普通預金) |
59,895 |
(売掛金) |
60,000 |
(支払手数料) |
105 |
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この場合の処理方法にはもう一つ有ります。いったん全体を入金させ、そこから手数料を支払うという形です。ここでは割愛します。また振込手数料の勘定科目については雑費勘定で取り扱うケースもあります。振込手数料が全体で見た場合にどのくらいの比重を占めているのかで考えて決めることが重要だからです。めったにない、金額として目立たない金額で有る場合はわざわざ独立した勘定科目でもつ必要がないと考えられる場合や会社によってはこの支払手数料に入る取引が多いために別の取引で独立させておくことが必要であると考えられる場合は雑費とすることが多いようです。簿記では重要性の原則といいます。 |
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まあ仕訳の具体例のその1はこういった感じ。呑気に進めていきます。 |
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